半知録

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「易」

漢代揲筮考(二)

漢代揲筮考(一)の続き。漢代での揲筮の在り方について探求していく。 唐の孔頴達は、一爻の老陽・老陰・少陽・少陰を決める際、「四営」によって四十九本から取り除かれた蓍から考える。「四営」とは、 一、四十九本を両手で二分する。 二、左手に持つ蓍か…

『日知録』易篇訳「序卦雜卦」

序卦雜卦 【原文】 序卦・雜卦皆旁通之説、先儒疑以爲非夫子之言。然否之「大往小來」承泰之「小往大來」也。解之「利西南」承蹇之「利西南、不利東北」也。是文王已有相受之義也。益之六二即損之六五也、其辭皆曰「十朋之龜」。姤之九四即夬之九三也、其辭…

『講周易疏論家義疏』釋讀(五)

【原文】 「用九、見群龍无首吉」。『子夏伝』[1]云「用九、純九也」。馬季長[2]云「用九、用純九之道也」[3]。夫九者、關陽之目、設表陽德之名。陰攝陰用[4]、太和[5]能通、故別稱聖[6]而陳用九之義。論家云純陽者、是天家之德[7]。天家之德、復爲万物之源…

『日知録』易篇訳「兌為口舌」

兌為口舌 【原文】 「兌爲口舌」、其於人也、但可以爲巫爲妾而已。以言説人、豈非妾婦之道乎。 凡人於交友之閒、口惠而實不至、則其出而事君也、必至於「静言庸違」。故舜之禦臣也、「敷奏以言、明試以功」。而孔子之於門人、亦「聽其言而觀其行」。 『唐書…

『講周易疏論家義疏』釋讀(四)

【原文】 第六釋上九「上九亢龍有悔」。舊説劉先生[1]等云、「故譬聖德(之)之人、而成亢龍之誡、有類周公之才、使驕且恡、其餘不足觀也」。今義不(熊)[然]、何故。亢心成悔、故言「窮之灾也」[2]。又云「知進而忘退、知得而不知喪」[3]、但是凡愚之行…

『講周易疏論家義疏』釋讀(三)

【原文】 事爲譬武王伐紂之象[1]。雖有兵革之資、无異禅譲之理。故關應而言、直是「飛龍在天」。據感而秤[稱]、普是「利見大人」者也[2]。天時爲配、位於申、在七月、夷則之律也[3]。陽正法度、陰氣使正。呂則南呂、南任也、陰氣任成諸物也[4]。位於酉、在…

『講周易疏論家義疏』釋讀(二)

【原文】 第三釋結義。夫太易之理、本自豁然。乾坤之象、因誰而興耶。上繫云、易有太極、極生兩儀、儀生四象、象生八卦[1]。論曰、太易无外、故能生乾坤。有内、故能生万法之象。可謂能生之理、必因自生之業、自生之業、必因能生之功。故自生之生、亦非自生…

『日知録』易篇訳「説卦雜卦互文」

説卦雜卦互文 【原文】 「雷以動之、風以散之、雨以潤之、日以晅之、艮以止之、兌以説之、乾以君之、坤以藏之」。上四擧象、下四擧卦、各以其切於用者言之也。「終萬物、始萬物者、莫盛乎艮」。崔憬曰、「艮不言山、獨擧卦名者、以動撓燥潤功、是風雷水火、…

『日知録』易篇訳「易逆數也」

易逆數也 【原文】 「數往者順」、造化人事之迹、有常而可驗、順以攷之於前也。「知來者逆」、變化云爲之動、日新而無窮、逆以推之於後也。聖人神以知來、知以藏往、作爲『易』書、以前民用。所設者未然之占、所期者未至之事、是以謂之逆數。雖然、若不本於…

『講周易疏論家義疏』釋讀(一)

【前言】 『講周易疏論家義疏』を読んだ際に、調べたこと、思ったことを記した一種の備忘録である。一応、日本語訳を試みているが、うまく意味が取れないところ、苦し紛れに解釈したところもある。誤りも多々あると思うが、何かの役に立てれば幸いである。な…

『日知録』易篇訳「凡易之情」

凡易之情 【原文】 愛惡相攻、遠近相取、情僞相感、人心之至變也。於何知之。以其辭知之。「將叛者其辭慙、中心疑者其辭枝。吉人之辭寡、躁人之辭多。誣善之人其辭游、失其守者其辭屈」。「聽其言也、觀其眸子、人焉廋哉」。是以聖人設卦、以盡情僞。夫誠於…

『日知録』易篇訳「困德之辨也」

困德之辨也 〔要旨〕 困難な状況にあって、その人の徳が現れるのである。「困は德の辨なり」とは、そのことを述べたものである。 〔原文〕 「内文明而外柔順」、其文王之困而亨者乎。「不怨天、不尤人、下學而上逹」、其孔子之困而亨者乎。故在陳之厄、絃歌…

『日知録』易篇訳「過此以往未之或知也」

過此以往未之或知也 【原文】 人之爲學、亦有病於憧憧往來者、故天下之不助苖長者寡矣。「過此以往、未之或知也。「居之安、則資之深。資之深、則取之左右逢其原」。 【日本語訳】 人には学んでも、心が定まらず右往左往することを憂える者がいる。それゆえ…

『日知録』易篇訳「垂衣裳而天下治」

垂衣裳而天下治 〔要旨〕 「衣裳を垂らして天下が治まる」とは、質朴さを変化させてきらびやかな文化となし、その変質に通して民を正しくさせるということである。 〔原文〕 「垂衣裳而天下治」、變質而之文也。自黃帝・堯・舜始也、故於此有通變宜民之論。 …

『日知録』易篇訳「形而下者謂之器」

形而下者謂之器 【原文】 「形而上者謂之道、形而下者謂之器」。非器則道無所寓、説在乎孔子之學琴於師襄也。已習其數、然後可以得其志。已習其志、然後可以得其爲人。是雖孔子之天縱、未嘗不求之象數也。故其自言曰「下學而上逹」。 【日本語訳】 「形而上…

『日知録』易篇訳「繼之者善也成之者性也」

繼之者善也成之者性也 〔原文〕 「維天之命、於穆不已」、繼之者善也。「天下雷行、物與无妄」、成之者性也。是故、「天有四時、春秋冬夏、風雨霜露、無非敎也。地載神氣、神氣風霆、風霆流形、庶物露生、無非敎也」。 「天地絪緼、萬物化醇」、善之爲言、猶…

『日知録』易篇訳「通乎晝夜之道而知」

通乎晝夜之道而知 〔原文〕 日往月來、月往日來、一日之昼夜也。寒往暑來、暑往寒來、一歳之昼夜也。小往大來、大往小來、一世之晝夜也。子在川上曰、「逝者如斯夫。不舍昼夜。「通乎晝夜之道而知」、則「終日乾乾、與時偕行」、而有以盡乎『易』之用矣。 〔…

『日知録』易篇訳「游魂爲變」

游魂爲變 【原文】 「精気爲物」、自無而之有也。「游魂爲變」、自有而之無也。夫子之荅宰我曰、「骨肉斃於下、陰爲野土。其氣發揚於上、爲昭明。焄蒿悽愴」。【朱子曰、「昭明、露光景也」。鄭氏曰、「焄、謂香臭也。蒿、氣蒸出貌」。許氏曰、「悽愴、使人…

『日知録』易篇訳「東鄰」

東鄰 〔要約〕 既済の九五爻辞に「東鄰殺牛、不如西鄰之禴祭、實受其福」とある。「鄰」とは、道を失い、命をほしいままにする者のことである。「東鄰」とは、殷の紂王を指す。 〔原文〕 馭得其道、則天下皆爲之臣。馭失其道、則彊而擅命者、謂之鄰。臣哉鄰…

『日知録』易篇訳「妣」

妣 【原文】 『爾雅』「父曰考、母曰妣」。愚考古人自祖母以上通謂之妣、經文多以妣對祖、而竝言之。若『詩』之云「似續妣祖」、「烝畀祖妣」、『易』之云「過其祖、遇其妣」、是也。『左傳』昭十年、「邑姜、晉之妣也」。平公之去邑姜蓋二十世矣。【『儀禮…

『日知録』易篇訳「山上有雷小過」

山上有雷小過 〔原文〕 山之高峻、雲雨時在其中閒、而不能至其巓也。故『詩』曰、「殷其靁、在南山之側」、或高或下、在山之側、而不必至其巓、所以爲小過也。然則大壯言「雷在天上」、何也。曰、「自地以上皆天也」。 〔日本語訳〕 山の高峻においては、雲…

『日知録』易篇訳「翰音登于天」

翰音登于天 〔原文〕 羽翰之音、雖登于天、而非實際。其如莊周齊物之言、騶衍怪迂之辯※、其髙過於大、學而無實者乎。以視車服傳於弟子、弦歌徧於魯中、若鶴鳴而子和者、孰誕孰信。夫人而識之矣。永嘉之亡、太淸之亂、豈非談空空・覈玄玄者有以致之哉。「翰音…

『日知録』易篇訳「巽在牀下」

巽在牀下 〔原文〕 九二之「巽在牀下」、「恭而無禮則勞」也。初六之「進退」、「愼而無禮則葸」也。 〔日本語訳〕 巽の九二の「巽いて床下に在り」というのは、〔『論語』の〕「うやうやしくても礼節がなければ疲れるだけ」ということである。初六の「進退…

『日知録』易篇訳「鳥焚其巣」

鳥焚其巣 〔要旨〕 人主の徳は、人に謙るより重要なものはない。旅の上九は、卦の一番上、離の極みであり、君主が横暴に振る舞うような位置にある。矜持を持って、諫争の論に耳を傾けなければ、その災禍は身に及ぶ。旅の上九爻辞「鳥其の巢を焚く」とは、そ…

『日知録』易篇訳「君子以永終知敝」

君子以永終知敝 〔原文〕 讀新臺・桑中・鶉奔之詩、而知衛有狄滅之禍。讀宛丘・東門・月出之詩、而察陳有徵舒之亂。書「齊侯送姜氏於讙」、而卜桓公之所以薨。書「夫人姜氏入」、書「大夫宗婦、覿用幣」、而兆子般・閔公所以弒。昏婣之義、男女之節、君子可…

『日知録』易篇訳「鴻漸于陸」

鴻漸于陸 〔要旨〕 漸の九三と上九の爻辞「鴻漸于陸」とあり、胡瑗や朱熹などは「陸」を「逵」に改めるべきだとするが、誤りである。朱熹は「逵」と「儀」と韻が合うといっているが、実は押韻していない。鴻は、漸の九三で陸に進み、上九で翻って陸に帰る。…

『日知録』易篇訳「艮其限」

艮其限 〔原文〕 學者之患、莫甚乎執一而不化。及其施之於事、有扞格而不通、則忿懥生而五情瞀亂。與衆人之滑性而焚和者相去、蓋無幾也。孔子惡果敢而窒者。非獨處事也、爲學亦然。告子不動心之學、至於不得於言、勿求於心、而孟子以爲其弊必將如蹶趨者之反…

『日知録』易篇訳「艮」

艮 〔要旨〕 艮の卦辞「其の背に艮まり、其の身を獲ず、其の庭に行き其の人を見ず」とは、臆断せず、無理押しせず、意固地にならず、我を張らないし、富貴でも志を乱すことはできなく、貧賤でも志を変えることできなく、威武でも志を屈服させることできない…

『日知録』易篇訳「改命吉」

改命吉 〔要旨〕 革の九四は、諸侯が天子の位に進もうとする、湯武革命を表した爻である。ただ湯王や武王は武力を使ってまで討伐したことに悔いがったが、天下は湯王や武王を指示した。そのことから、その爻辞に「悔い亡び、命を改むるは吉」とあるのである…

『日知録』易篇訳「巳日」

巳日 〔要旨〕 革にみえる「己日」は、十干の「己」の意味である。「己」は、十干の中間にあり、まさに変化しようとする時にあたる。さらに「己」の次の庚は、更めるという意味がある。革の卦辞「己日乃孚」とは、天下の物事は己日の半ばを過ぎてまさに変化…