半知録

-中国思想に関することがらを発信するブログ-

2019-01-01から1年間の記事一覧

連山と帰蔵

『易』は、「周易」とも呼ばれ、周王朝の占書とされる。その『易』より以前に、夏には『連山』、殷には『帰蔵』という名の占書があったとされる。『易』を含めて、「三易」と呼ばれる。『連山』『帰蔵』にも、『易経』と同じように、八卦と六十四卦があった…

野間文史先生の学問とその人ーその参

hirodaichutetu.hatenablog.com その弐、では野間先生の新居浜高専就職から広島大学に戻られる辺りまでを追った。今回は研究者として"一番脂の乗る時期"にあたる広島大学奉職時代の経歴と学問を追ってみようと思う。 ③広島大学奉職時代 では、先にその間の経…

卦名の由来

六十四卦には、それぞれ名称が付けられている。乾・坤・屯・蒙・需・訟、等々。しかし、なぜそのように名づけられたのか。今回は卦名についてのお話である。 卦名の由来について、大きく分けて四つの説がある。八卦は事物の観察からできたものなので、ある物…

八卦と六十四卦の成りたち

今回は、『易』の根幹である八卦と六十四卦の成りたちについてのお話である。 陰爻・陽爻を三画あるいは六画重ねたものを「卦」と呼ぶ。『易緯』では、「卦は、掛なり」とする。つまり、万物の象徴をその記号に関連づけて人に示したことからきたのだという(…

野間文史先生の学問とその人ーその弐

hirodaichutetu.hatenablog.com その壱👆、では野間先生の出生から助手時代までを追った。今回はその後、新居浜高専に就職されて母校の広島大学に戻られるあたりまでの経歴と学問を追ってみようと思う。 ②新居浜高専時代~広大中哲に戻られるまで 1976年、28歳…

陰⚋陽⚊の起源

『易』は陰と陽が根幹となっていることはよく知られている。『易』では、陰陽は⚋・⚊で表される。この記号を三つ重ねたものが八卦であり、六つ重ねたものが六十四卦である。では、なぜ⚋・⚊の記号が陰陽の代表とされるのだろうか。今回は、陰⚋陽⚊の起源につい…

古代中国の占い書はなぜ「易」と呼ばれるのか

儒教経典の一つに『易経』という書がある。『易経』とは、一言で言えば古代中国の占いの書である。「当たるも八卦、当たらぬも八卦」ということわざやNarutoの日向ネジの技である八卦六十四掌は『易経』に由来している。ただ日本人で「エキキョウ」と聞いて…

広島大学中国哲学研究室(広島大学中国思想文化学研究室)

広島大学の中国思想文化学では、主に中国哲学を研究してます。 それほど人数はいませんが、何とかやってます。 このブログでは、広大中哲の中の人が、中国哲学に関すること、 あるいは広大中哲の日常をだらだらと書いていきます。 よろしく、どうぞ。

野間文史先生の学問とその人ーその壱

野間文史(1948ー)、言わずと知れた中国哲学の大家である。「五経正義」及び「春秋学」を専門とされ『五経正義の研究』(研文出版、1998)はその代表作の一つである。また、一般向けに「経学」を解説した『五経入門』(研文出版、2014)は一般向けとは言い…