半知録

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『日知録』易篇訳「天在山中」

天在山中

〔要旨〕

大畜の象伝に「天が山中にある」というのは、地より上は「天」とされるからである。

 

〔原文〕

張湛注列子曰、自地以上皆天也。故曰天在山中。

 

〔日本語訳〕 

 

張湛が『列子』に注釈して、「平地より上はみな天である」と言っている。それゆえ〔大畜の象伝に〕「天は山中にある」と言うのである。

 

〔解説〕

大畜の象伝に「 天在山中」とあるのは、大畜が上艮下乾で、山を象徴する艮の下に、天を象徴する乾があることによる。普通、山の上に天があると考える。大畜ではその逆で、山の下に天があることを問題としている。