「易」
朱子周易本義 【要旨】 『周易』は、伏羲が八卦を画き、文王が卦辞を作り、周公が爻辞を作ることにより、上下経二篇となった。孔子は十翼を作った。前漢では、経と伝は別に行われていたが、後漢に至って、合せられて一書となった。 【原文】 『周易』自伏羲…
重卦不始文王 【要旨】 夏と殷の占筮書である『連山』『帰蔵』には、『周易』と同様に、八卦そしてそれを重ねた六十四卦があった。文王が初めて八卦を重ねて六十四卦としたわけではない。 【原文】 大卜掌三易之法、其經卦皆八、其別皆六十有四。攷之『左伝…
凡例 一、底本は黄汝成『日知録集釈』(同治八年広州述古堂重刊本)とし、『集釈』は省いた。 二、本文は『原抄本日知録』(文史哲出版社、一九七〇年再販本)や原拠によって校訂する場合がある。諱字は原字に戻した。 三、原注は【 】によって区別した。 三…
中国古代の占い書である『易』は、蓍または筮竹といった長い棒を使って卦を導き出し占う。日本の易者は、和服を着て、利休帽をかぶり、机の旁に筒に入った複数の棒が置かれることによって表される。その棒こそ易占で使う筮竹を表している。その棒があること…
『四庫全書』に『周易本義』と『原本周易本義』が一緒に収録されている。『周易本義』とは、朱熹の『易』に対する注釈書である。一見すると、『周易本義』と『原本周易本義』は、構成はやや異なるが、内容は同じようにみえる。しかし、構成が異なるだけで同…
孔子が作ったとされる、『易』の解説書、十翼が如何に形成されたのかのという話である。 十翼とは、彖伝上・下、象伝上・下、繋辞伝上・下、文言伝、説卦伝、序卦伝、雑卦伝の七種類、十部分の伝のことである。とりわけ彖伝と象伝が上下に分かれているのは、…
『易』の経文は卦辞と爻辞で構成されている。では、卦辞・爻辞は如何にして形成されたのか。今回は、その話である。 卦辞は、一卦の意義を総論した占辞である。彖辞とも呼ばれる。「彖」は「断」の意で、一卦の義を断定するという含意があるとされる。これは…
『易』は、いつ成立したのだろうか。今回はその話である。 『易経』は、「周易」とも呼ばれる。それは、周王朝の占い書であったとされるからである。「易経」よりは「周易」の方が古い呼称である。鄭玄は、「周」は「あまねく」という含意もあったとしている…
『易』は、「周易」とも呼ばれ、周王朝の占書とされる。その『易』より以前に、夏には『連山』、殷には『帰蔵』という名の占書があったとされる。『易』を含めて、「三易」と呼ばれる。『連山』『帰蔵』にも、『易経』と同じように、八卦と六十四卦があった…
六十四卦には、それぞれ名称が付けられている。乾・坤・屯・蒙・需・訟、等々。しかし、なぜそのように名づけられたのか。今回は卦名についてのお話である。 卦名の由来について、大きく分けて四つの説がある。八卦は事物の観察からできたものなので、ある物…
今回は、『易』の根幹である八卦と六十四卦の成りたちについてのお話である。 陰爻・陽爻を三画あるいは六画重ねたものを「卦」と呼ぶ。『易緯』では、「卦は、掛なり」とする。つまり、万物の象徴をその記号に関連づけて人に示したことからきたのだという(…
『易』は陰と陽が根幹となっていることはよく知られている。『易』では、陰陽は⚋・⚊で表される。この記号を三つ重ねたものが八卦であり、六つ重ねたものが六十四卦である。では、なぜ⚋・⚊の記号が陰陽の代表とされるのだろうか。今回は、陰⚋陽⚊の起源につい…
儒教経典の一つに『易経』という書がある。『易経』とは、一言で言えば古代中国の占いの書である。「当たるも八卦、当たらぬも八卦」ということわざやNarutoの日向ネジの技である八卦六十四掌は『易経』に由来している。ただ日本人で「エキキョウ」と聞いて…